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どこかで見たコカ

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自作2つ目です。
 こんにちは、コカです。
 最近急激に冷え込み始め、そのせいかは分かりませんが、鼻の調子が悪いです。ずっとグズグズ鼻を鳴らしていまして、周りの人を不快にしてはいないかと怯えている小心者であります。
 ならばと鼻止めの薬を飲み、次は猛烈な眠気に襲われてにっちもさっちのいかなくなってしまった昨日の昼。まさに踏んだり蹴ったりでした。
 鼻をむしりとりたいと思ったことがあるのはコカだけでないはず。

 スミマセン。愚痴が長くなりましたが、今回も一作書きましたので、よろしければみていってください。






「雨の日」



「雨の日は嫌いだ」
 教室での昼休み。曇り空に溜息をつき、そう愚痴をこぼした僕を、彼女は白い歯を見せながら笑った。
「気持ち悪いやつね。過度にロマンチストな男は引いちゃうわ」
 向かい合うように小さな弁当を広げ、綺麗に詰められたおかずに箸を伸ばしたまま、彼女は僕をバカにしたように笑う。
 そして僕はいつものようにこう思うわけだ。――やっぱり彼女のことが苦手だ、と。
 去年、クラスメイトとして出会ってから、僕の調子は狂いっぱなしである。彼女の馴れ馴れしい口調もそうだが、偉そうな態度も鼻にかかる。それだけならまだしも、事あるごとに僕へと絡んでくるので、ほとほと対処に困ってしまう。
 バカな友人達は口をそろえて羨ましいとほざくけど、とんでもない。疲れるだけだ。
「それとも、ポエム的な何か?」
 彼女の問いかけを無視するように、パンにかぶりつきながら僕は顔を背けた。別に、雨をネタに詩を作るわけでも、感傷的になったわけでもない。ただ、雨の日は面倒なだけだ。
「あぁ、そうか。今日は塾の日だっけ」
 彼女は僕の言わんとする所に気がついたようで、そうかそうかと納得げ。
「ようするに、傘持ってきてないわけね。マヌケなことに」
 僕は僅かに顔を縦に振り、渋々ながら肯定する。今朝、家を出るときはあれだけ晴れていたのだ。まさかこうも天気が崩れるとは考えもしなかった。
 窓から見えるあの灰色の雲は今にも大粒の雫を落とそうと身構えているようで、今は大丈夫でも塾が終わる頃には雨が降るだろう。
 塾から家までの二十分、僕は間違いなく濡れ鼠になること請け合いである。だからといって家に傘を取りに戻っては、確実に塾の時間に間に合わない。途中で買おうかとも考えたが、僕の財布はスッカラカンなわけで。
「貸してくれ!」苦し紛れに突き出した手は、
「はい残念。今日はお金も傘も持ってません」
 彼女の手にはたかれて力なく机の上に落ちた。
 万事休すである。唯一残された手は、雨が振らないよう天に祈る事だけだろう。
「出来の悪いヤツはたいへんね。学校で勉強して、その上、塾でも勉強するなんて」
 来年は自分も受験生のくせに、成績もたいして変わらないくせに、彼女はまるで他人事のようにおかずを口に運んでいく。
 その図太さが羨ましくも、腹立たしくて、「後で泣きを見ても知らないからな」僕が言うと、彼女は少しだけ考えるそぶりを見せた。
 そうだ、悩め。受験はきついぞ。しんどいぞ。
 だが、彼女はいたずらが見つかった子供のような顔で笑って、
「アンタが出来るんなら、別にアタシは困らないもの」
 僕の顔を一直線に見つめてくる。
「なんだそりゃ」
「さぁね」
 呆れてものが言えないとはまさにこの事だ。恐らく来年の今頃には、僕に家庭教師の真似事をさせる腹づもりなのだろう。
 こっちも受験なんだ。人に教えてる暇は無いからな。僕はそれだけ言うと、パンの袋を飲み終えた紙パックと共に、少し離れたゴミ箱へと投げ入れる。ついでに彼女の飲み終えた紙パックも投げ入れた。
「へへ、ごくろう」
 ただゴミを捨ててやっただけなのに、彼女は嬉しそうにはにかんだ。
ふいに見せる毒気の無い笑顔に、僕は気恥ずかしくなってしまい、「別に」そっけない返事を残して、再度、頬杖をついて窓の外に広がる曇天の空を見やった。
 さっきより、心なしか雲の色が黒味がかっているように見える。
「もう降るかもね」
「……かもな」
 あぁ、いやだ。僕は頭を抱えて突っ伏した。
 どうやら今日は濡れ鼠確定らしい。嫌だけど、こればっかりは仕方がない。どう足掻いても天気には勝てないのだから。
 でもせめて、どこかでビニール袋を貰おう。教科書やノートだけでも雨から守ろう――と。うんうんと唸る僕の肩を、誰かが軽くつついた。
 顔を上げると、もちろん目の前には彼女しかいない。食後のデザートなのか、手に持ったポッキーを揺らしながら、「それでさ」彼女は僕の顔を見据えながら言葉を続ける。
「結局さ、何時に迎えに行けばいいの?」
「は?」
 僕は、彼女が何を言いたいのかわからない。でも目の前の彼女は、さも当然といった様子で首をかしげ、
「だから、迎えに行くよ? 塾が終わる頃に、傘もって」
 何時? なんて、口にくわえたポッキーを、僕へと突き出してくる。
 そのしぐさが不覚にも可愛くて、そしてその言葉が嬉しくて、僕は、今日何度目だろうか。彼女から顔を背けてしまった。
 まったく。ほんとに。これだから。嫌になる。
 色々な言葉が頭の中をぐるぐると回り、大きく溜息をつくと、僕は彼女のくわえるポッキーに手を伸ばした。
「あ、もう」
 小気味良い音を立て、中ほどで折れたポッキーを僕は口に含む。そして、菓子を取られむくれる彼女へと、
「……女の子が、一人で夜道をうろつくな。バカ」
 僕は悪態をつくので精一杯だった。

 ――だから、雨の日は嫌いなんだ。
 意味のわからない言い訳を、机をはさんで向こう側。優しく笑う彼女に、僕は何度も呟いた。



 おわり


 くそー。薬のんで眠たくならなければ、昨日更新できたのに。
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テーマ:オリジナル小説 - ジャンル:小説・文学

自作2「雨の日」 | 15:03:43 | トラックバック(0) | コメント(0)
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