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どこかで見たコカ

Author:どこかで見たコカ
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ブログはじめました。
 むかしブログをやっていましたが、一念発起、再度新しくはじめてみました。コカといいます。
 一人だと前みたいに忙しくて更新が滞ってしまいそうなので、知り合いさん達に手伝っていただこうかと。オリジナルや、二次創作等いろいろとやっていこうと思います。
 残りの二人とも、絵が上手いので絵やマンガを描いてもらおうかなと思っています。
 三人もいるのでいろいろとやりたい放題やっていくと思いますので、よろしくお願いします。

 今回は、むかし某所で書いたものをもう一度書き直した自作小説です。




『とあるバレンタインデーの裏話』

 僕は、その年のバレンタインデーに、ひとつのチョコも貰えなかった。
 二月十五日の学校でその話をすると、友人達は心底驚いた顔を見せ、口々にとある少女の名を口にした。どうやら皆が皆、何か勘違いをしているらしく、「彼女とはそんな関係じゃない」そう言った僕に、全員渋柿を食ったような顔をしてみせた。
 揃いも揃って何度言えばわかるのだろう。自分の席に鞄を下ろしながら呆れてしまう。
 彼女とはそういう関係じゃない。彼女とは……

 ――これって腐れ縁かしら?
 あれはいつだったか。その日はとても寒かったのを覚えている。夕暮れ時の通学路歩いていると、僕の隣で彼女は問いかけてきた。
「どうだろう。たんなる友情ってもんじゃないとは思うけど」
 でも、友情ってどこまでが友情として処理されるんだろうな? そんな僕の曖昧な返答に、彼女は憮然と呟いた。
「……たとえば手をつなぐのは?」
「ほら」
「ん」
 僕がおもむろに突き出した右手に、彼女は左手を重ねてくる。
「仲良く手をつなぐってのは友情だろ?」
「そうかもね」
 そう言いながら、彼女は僕の腕に自分の腕を絡め始めた。
「どうしたんだ?」
「寒いからいいんじゃない?」
「まぁ、寒いよりはいいか」
「じゃぁさ、アタシが暖かいものが飲みたいって言うとするじゃない?」
「そのワガママを聞いて、僕が甲斐甲斐しく買いに走るのは友情か?」
「いいじゃないの」
 なんだか、ガキ大将にアゴで使われるメガネっ子の気分だ。僕が大げさに肩をすぼめると、彼女は屈託ない顔で笑った。
「ったく……で? 何飲むんだ」
「まだ自販機まで随分あるじゃない。いいわよ、そこまで一緒に歩きましょう」
「寒いんだろ?」
 この寒空の下、呆れることに彼女は制服にコートを羽織っただけ。今朝は珍しく急いでいたらしく、ろくな防寒具を身につけていないのだという。
「あんたがいないほうが寒いわよ」
「はいはい。僕は湯たんぽ代わりってわけか」
「湯たんぽは文句言わないわよ?」
 彼女の減らず口に閉口しつつも、「ほら、それならこれでも巻いてろ」彼女に自分のマフラーを手渡した。
 ……うっすいマフラーね。そんな声が僅かだか聞こえてくる。
「文句言うなよ、僕の一張羅だぞ。それに無いよりはマシだろ」
「まぁ、多少はね」
 僕のマフラーに口を埋め、彼女はぬくもりを楽しんでいるような表情を見せた。そんな顔を見せてくれるのなら、自分の首が寒いのなんてなんのその。
「ねぇ」
 少しだけ背伸びした彼女は、まるで内緒話をするように僕の耳元でささやいた。
「もしさ、アタシがアンタにマフラーを編んでくるのって……これって友情?」
 耳元にかすかに当たる吐息をむず痒く感じ、少しだけ言葉に詰まってしまう。
「……でも、今から作るとなると冬が終わるんじゃないのか?」
 マフラーを作るのにどれくらいかかるのかわからないけれど。
「その気になれば来年にはできるわよ」
「来年? となると、年開けてすぐって事か」
 まさか来年の冬ってオチはないだろう? 意地悪く笑う僕に、彼女は少し困ったような顔を見せた。
「いや、三月までには作り終える予定……ううん、二月までには終わらせるから」
 恐らくは、ギリギリなのだろう。冬が終わるのが先か、マフラーの完成が先か、彼女の目からはもはや一刻の猶予もないことが感じられた。
「……これって腐れ縁ってやつかしら?」
「マフラーの事か? ……う~ん。たんなる友情ってもんではないかな?」
 どうなのだろう。うんうんと首を捻っていると、自販機を見つけた。そういえば、飲み物が欲しいといっていた事を思い出し、隣で同じくうんうん唸っている彼女に問いかける。
「なに飲むんだ?」
「そうねぇ、暖かいココアが飲みたいわ。あ。でも隣のカフェオレもおいしそうね」
「じゃぁ、半分ずつ飲むか?」
「そうね。それじゃアタシがココア。あんたはカフェオレで」
「はいよ」
「ちゃんと半分残しときなさいよ?」
 彼女は、鼻まで真っ赤に染めて、いたずらっ子のように笑い、
「そっちこそな」
 僕も、負けじと笑みをこぼした。
 ――ふと見ると、通学路に、薄くなった影法師が二つ並んでいる。お互いに身を寄せ合うように立っている。
 二人でぼんやりと眺めていると、
「……まぁ、こういうのは友情かもね」
 背の低い影が手に持った缶を突き出し、
「そうか?」
 背の高い影法師も自分の缶を突き出した。
「だって、心の許せる相手としかこういう事って出来ないじゃない。そう思わない?」
「そうかもな」

 ――腐れ縁っていうのかな。
 なぜだろう、突然あの日のことを思い出してしまった。きっと朝っぱらから友人達のバカ話につき合わされたからだろう。
 なぁ、本当は貰ったんだろ? なんて、しつこく聞いてくる友人を向こうへ行けと追い払う。
 いい加減、面倒だ。昨日貰った、彼女お手製のマフラーを鞄に押し込めながら、もう一度、今度はクラス中に聞こえるように言ってやった。
「だから、昨日はチョコなんて貰ってないって」


おわり


 新ブログ第一歩のはじまりです。ドキドキしますね。
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テーマ:オリジナル小説 - ジャンル:小説・文学

自作1「とあるバレンタインの裏話」 | 14:09:01 | トラックバック(0) | コメント(2)
コメント
はじめまして
はじめまして、宮藤椿です。
アガタさんのイラストを見てここにやってきました!
よろしくお願いします。

感想ですが、僕も「こういう幼馴染がいたらいいな…。」と思います。
まぁ、その幼馴染が僕の事を好きになってくれるかが問題ですが。
2011-09-23 金 11:11:09 | URL | 宮藤椿 [編集]
宮藤椿さん、コメントありがとうございます。
こちらこそはじめまして。
アガタさんのところから来ていただいたようで、ありがとうございます。アガタさんに可愛いイラストを描いてもらって嬉しい限りですよ。
これからもいろいろやっていこうと考えていますので、よろしくお願いします。
2011-09-24 土 10:58:38 | URL | どこかで見たコカ [編集]
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